SmartCloud コラム

画像認識AIにおけるプライバシー・個人情報とは

2023.01.25画像認識AI

さまざまな業種・業界で使用されている画像認識AIの技術。「人」の画像認識においてもいくつもの活用シーンがあります。例えば、大型商業施設では混雑具合の表示への活用、流通・小売業では監視・防犯ツールとして利用されるケースも。「人」の画像を撮影すると顔も映ってしまうことがほとんどであり、画像や映像を利用する場合は、情報セキュリティや個人のプライバシー保護に関する理解を深めておくことが必要です。

 

画像認識AIとプライバシー・個人情報、どう考える?

AI(人工知能)に関する研究の進展と知識の普及により学術・技術、産業や社会の発展に寄与することを目的として1986年7月に人工知能学会が設立されました。その倫理委員会において、2017年2月に研究者が守るべきルールをまとめた「人工知能学会 倫理指針」(※1)を公開しています。「倫理指針」では、人工知能の悪用や濫用を防ぎ、広く人間社会に有益になるための研究や開発などに向けて行動をすべきであるとしていますが、その中のひとつに以下の項目があります。

3(他人のプライバシーの尊重)人工知能学会会員は、人工知能の利用および開発において、他者のプライバシーを尊重し、関連する法規に則って個人情報の適切な取扱いを行う義務を負う。

人工知能学会の研究員でなくとも、画像認識AIにおいて人が写った画像や動画を扱う企業は個人のプライバシーを尊重しなくてはなりません。では、「関連する法規に則って個人情報を適切に扱う」とは、具体的にどのようなことでしょうか。

総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」では、「個人情報」の定義を以下のように説明しています。

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報のことで、氏名、生年月日などのデータによって特定の個人を識別できる情報、または個人識別符号(※)を含む情報のことを指しています。

(※)個人識別符号とは

  • 身体の一部の特徴をコンピュータで利用するために変換したもの(たとえば、DNAや顔など)
  • 公的なサービスの利用のためにサービス利用者に割り振られる番号(たとえば、免許証の番号やマイナンバーなど)

また、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者に対し、「利用目的をできる限り特定し、目的達成に必要な範囲を超えて取り扱わない」「個人情報取得の際には、利用目的を通知・公表する」など、正しく取り扱うことを義務付けています。

 

画像認識AIを扱う際に配慮すべきこと

人間が写っている画像を用いた画像認識AIの活用は、個人を特定・識別するものから、人間であることが識別できればよい程度まで、導入する業種により必要とする画像認識AIの技術は大きく変わるでしょう。

画像から個人を特定・識別する場合は個人情報取扱事業者の義務として、個人情報の利用目的をあらかじめ公表する、または個人情報の取得後、本人へ通知または公表する必要があります(個人情報保護法第二十一条)。ただし、「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」、例えば流通・小売業にて盗難監視システムで使用する場合には適用しない、など例外もあります。(「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」 に関するQ&A(令和4年5月26日時点))

イベントにおいて来場者の年齢や性別などの属性情報のみ判別したい場合は、個人識別符号等で本人を識別できる情報と容易に照合をできる場合を除き、属性情報のみでは個人情報には当たりません。画像に映る人数のカウントなど、人間であることが識別できればよい場合も同様です。これらの場合は個人情報を加工して、通常人の判断をもって個人を特定することができず、かつ加工する前の個人情報へと戻すことができない状態にした情報、つまり「匿名加工情報」にして活用をすれば、個人情報に関するルールは適用されません。「匿名加工情報」の作成や第三者提供・受領における一定のルールに則れば、本人の同意を得なくても画像を活用することができるため、マーケティングや新規事業、新サービスの立案にも役立つでしょう。

 

ルールを守って画像認識AIを活用するには

これまで人間が写っている画像を活用する際の法令や注意点などをみてきました。個人情報に関する法令やガイドラインは変更が多く、自社の判断で画像認識AIの導入を進めると思わぬところで誤った活用をしてしまい、顧客の信頼を失う可能性もあります。

Deeptectorでは、撮影の時点で画像を「匿名加工情報」に処理を施す技術を持っております。匿名加工情報とすることで、データ流出した場合でも個人情報漏洩のリスクを軽減することができます。また、プライバシーや個人情報が含まれる画像を画像認識AIで扱う際にどのような対策を講じる必要があるかなどのアドバイスもご提供しています。画像認識AIの導入には、Deeptectorをぜひご検討ください。

 

※1 人工知能学会倫理委員会「倫理指針」
http://ai-elsi.org/archives/471

※2総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト(個人情報取扱事業者の責務)」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/business/business_executive_05.html

 

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